校長メッセージ Message from the Principal
ごあいさつ

佐藤 忠博
香蘭女学校は、英国から来日し、日本の「女子の教育」の必要性を説いたエドワード・ビカステス主教により、特別伝道団聖ヒルダ・ミッションの事業の一環として 1888 年に創立されました。その思いと信仰の灯は今も脈々と受け継がれ、「St. Hilda’s School」という欧名に象徴されるように、キリスト教の教えに基づいた全人的教育を行ってまいりました。
私たち一人一人がもつ「個性」、それは神様が私たちにくださった「賜物」です。自分への「賜物」が何であるのかに気づき、大切にすること、磨いていくこと、私たちは、学校がそれを安心して行うことのできる場であることを何よりも大切にします。
そして、自分自身を認め、「自己肯定感」をもつことができて初めて、誰もが自分と同じように大切な「賜物」をもつことに気づき、各々が大切にしているものを互いに尊重し合う心が育つのだと私は考えます。
これは、マタイによる福音書第7章12節に記された「人にしてもらいたいことは何でも、あなたがたも人にしなさい。」ということにも繋がっています。
本校が守ってきた「個性を引き出し、伸ばす」教育姿勢は、「薫りをはなて とりどりに」と校歌に歌われるように、一人ひとりが神さまから与えられた「賜物」を磨き、自らの個性を喜び、発揮し、他者を尊重して生きることを学ぶものです。
近年、社会はますます多様で流動的なものとなっています。その中で、自分らしく、しなやかに、そして他者と共に歩むことのできる力は、まさにこれからの時代を担う若者に必要不可欠なものです。私たちは、生徒たちが自分自身を見つめ、内にある可能性を信じながら、社会とのつながりの中で「ともに生きる」知恵を育むことにも、しっかりと取り組みます。
香蘭の「女学校」としての伝統を現代に息づかせ、未来へと繋いでいくこと、変化の激しい社会においても、聖書に示された真理を礎に、次代をリードする女性たちを育てること、私たちはその使命を全うすべく、教職員一同、心を一つにして教育に取り組んでまいります。
そして何より、歴史と伝統を受け継ぐこの学び舎に身を置き、日々を共にできることの素晴らしさを、一人でも多くの皆さんと分かち合いたいと思っています。