奉仕Volunteer

BIG SISTER

香蘭女学校が一つの家族だとすれば、6年生=高等科3年生は長姉で1年生=中等科1年生は末妹でしょうか。香蘭女学校の「ビッグシスター」は、選ばれた24名の6年生が入学したての1年生の教室に付き添い、学校生活の勘所やコツを教える道案内役を務めます。1年生にとっては、部活動などで上級生と関わりができていく前の時期、まず最初に出会う香蘭生です。6年生にとっては、香蘭生の代表として誇らしく、また身の引き締まる役目です。

奉仕活動

香蘭生に受け継がれる人への思いやりと寄り添いは、わたしたちの心の中の言葉を(あなたも大変だろうけど私も大変なんだ)から「私も大変だけれどあの人も大変だ」へと持ち換える体験を芯にして、ひとりひとりが育てます。仕えられるためではなく仕えるために来られたイエス・キリストに倣って。

バザー

毎年11月23日勤労感謝の日に行っているバザーは、100年以上前の香蘭生が近隣の聖ヒルダ養老院の方々に手編みの膝掛けを贈ったのが始まりだと伝えられています。その後、戦争で校舎がなくなった時でも、香蘭生は自分のことよりも隣人のために働くのを「己が務め」として大切に引き継ぎ、バザーを続けました。
バザーの精神は香蘭女学校の精神を体現するものとして、現在校生と教職員にとどまらず保護者も卒業生もここに集い、働き手となり買い手となって奉仕します。現在では教室や校庭をいっぱいに使って趣向も凝らし、毎年来場者あわせて5000人に及ぶ人が結ばれる一日となっています。
生徒は夏休みに手作りしたクッションやぬいぐるみ、エプロンやさまざまな小物などを持ち寄ります。当日は学年ごとに役割を分担してバザーを運営します。生徒の働きによる収益はすべて教会や福祉関係諸施設団体に寄付します。

ボランティア

中高生のボランティア活動の体験は、自分に何ができるのか問われる経験であり、殻を破る経験であり、「救われる」ことの多義性に何度も目を開かれる経験であり、助けに行った者が助けられ、励ましに行った者がエネルギーをもらう経験であり・・・人と人の関わりについての貴重な問いを育む心の土壌をつくり得るものです。
香蘭女学校にはそのようなボランティアの種播きとして奉仕活動の有志募集が数多くあります。毎朝の始業礼拝で祭壇奉仕するオルター、オーガニスト、聖書朗読はすべて、また式日式典の感謝礼拝のアコライトも有志生徒の奉仕グループ(ギルド)が担います。浅草聖ヨハネ教会の日曜給食活動も年間を通して参加できます。バザー委員になるとバザーの寄付先となっているベタニヤホームや多摩全生園などを訪ねます。東日本大震災に際しては2011年夏に高等科生と教員で被災地ボランティアを組織し、2019年春まで毎年訪問し交流を続けました。また広島平和学習や東日本大震災被災地ボランティアに参加した生徒が募金活動や平和啓発活動を続けるといった動きも、キリスト教センターでバックアップしています。

クワイヤー

1920年、英国から来日していたミセス W.D.スパックマンの指導の下に聖歌隊が創設され、2020年に100年を迎えました。クワイヤーのメンバーは部活動と同じく有志の生徒ですが、学校のキリスト教センターのもとで、校内の式典や感謝礼拝での奉唱はもちろん教会や他のミッションスクールとの協働の場に派遣される奉仕団体です。
聖公会の礼拝で大切にされる宗教曲の奉唱を「アンセム」といいます。香蘭女学校でも特別な礼拝では聖書朗読が終わるとともにクワイヤーの「アンセム」が始まり、透き通るようなハーモニーが礼拝堂の空気を浄めて神様と交わる道が開かれます。
クワイヤーはわたしたちのためにたくさん練習を重ね、式典のたび毎回異なるアンセムに乗せてわたしたちに感動を届けてくれます。

  • クワイヤー
  • クワイヤー

ガールスカウト

香蘭女学校のガールスカウト部は「ガールスカウト東京都第1団」。香蘭女学校は2020年に100周年を迎えた日本のガールスカウト運動の発祥の地です。1920年、英国から来日していたミス M.グリンストリートの指導の下に「女子補導団(ガールガイド)東京第1組」が誕生しました。そのときの標語「そなえよつねに」という言葉をガールスカウト部は代々受け継いでいます。
人とのまじわり、自然とのかかわりのなかで積極的に迷い、考え、自分たちでやりたいことを見つけ、挑戦して自分を開発する。ガールスカウトの精神に学ぶべきことは多く、香蘭女学校の教育の土台の一つとなっています。

礼拝奉仕

日々の礼拝は私たちにとって大切な時間です。香蘭女学校では、有志で集まった生徒たちが毎日交代で奉仕をし、礼拝を支えています。礼拝を円滑に捧げることができるように朝から準備をし、祭壇の準備片付けを担当するオルターギルド、礼拝の柱となる日課朗読者、皆で奉唱する聖歌の伴奏や礼拝前後の前奏・後奏をするオーガニストがいます。また、式典や特別な礼拝では、アコライトの生徒たちがクロス(十字架)とトーチ(ろうそく)をもって入退堂のプロセッションやリセッション(行列)の先頭を進みます。