特色ある教育Specialized Education

伝統文化を重んじた教育(礼法)

キリスト教の精神を教育の基盤に置きながら、本校では長年日本人としての心を育む時間を大切にしてきております。それは、創立当初から英国人宣教師の先生方が、英国の伝統と似ていると感じた日本文化を尊重する姿勢をとられたことに由来します。他者のために自分は何ができるのか、また思いやりのある謙虚な姿勢とはどのようなものか。日々の生活の中では勿論のこと、特に中等科1年生では小笠原流の礼法の授業で、長い間日本人が重きを置いてきた心の表現、基本的な立ち居振る舞いなどを習得します。一つ一つの所作を身につけることはもちろん、背景にある歴史的な意義も理解し、心身共に美しい礼儀作法ができる女性に育ってくれることを祈っております。

英語教育と国際理解

英語を学ぶことの面白さを覚え、英語を通して知る世界を楽しむ気持ちが育めるように……という思いから6年間の英語教育プログラムが組まれています。
ネイティブの先生との授業、洋書多読、オンラインスピーキングなど、多様なアプローチにより抵抗なく話せるよう自信をつけていきます。
希望者が参加する英国やカナダ・プリンスエドワード島での研修では、語学と同時に環境問題・多民族社会・キャリアについて学ぶ機会を持つことで国際社会を生きる女性としての意識を高めます。研修後の学習へのモチベーションや進路にも大きく影響し、海外大学進学や将来について考えるきっかけにもなっています。
なお、現在は新型コロナウイルス感染拡大の影響により海外での研修ができないため、国内および校内での国際交流・異文化理解プログラムを始めました。
2021年度はオンラインを活用し、中学生はオーストラリアとニュージーランドの学校との交流、高校生はアイルランドの語学学校や在日大使館と繋ぎ「女性のキャリア教育」について英語で学びます。今後も生徒が世界に目を向け、視野を広げられる企画を考えていきます。

理数教育とICT教育

中等科1年生からiPadをBYOD(Bring Your Own Device)方式で1人1台持ち、授業やホームルーム活動などの他、自宅学習でも使用しています。ほとんどの教科でiPadが活用されています。また、すべてのホームルーム教室に電子黒板が設置されており、効果的に使用されています。
2020年度の休校期間中は、生徒一人ひとりの状況を確認し、生徒が抱えている不安な気持ちに寄り添うことを大切にしました。ICT環境が整備されていたこともあり、4月の早い時期から配信授業を実施し、生徒たちの学びを止めずに進めることができました。授業だけでなく、教員によるメッセージリレー動画や、教養講座を開講し、学校との繋がりを強めるための取り組みを行いました。
また、女子校という環境を強みとして、女子生徒の学び方に合わせた丁寧な理数教育を行っています。実験や言語活動を通して、様々な視点からアプローチし、道筋を立てて課題解決できる力を養います。

ライフデザイン

香蘭女学校のすべての活動の根底にはお祈りがあります。自らを省みるとともに、他者に心を寄せ、なすべきことを問う中で、生徒たちは成長します。
一生の基礎となる香蘭での6年間は、神様が一人ひとりに異なった「賜物」を与えてくださったことに気づく時間でもあります。行事や日々の学級活動を通じて、フォロワーシップを身につけるとともに、その中からリーダーも育ちます。
「探究」や教科、校外活動などが連動し、中等科では自分の心と体、身近な生活に関心をもつこと、多様性を知って相互に理解する姿勢を育むことを重視します。高等科では広い視野で世界をとらえ、社会の中に自分を位置づけて一生を主体的にデザインすることを目指します。

探究

自己と身の回りの世界に着眼することから始め、学年を重ねる毎に自己の世界を広げ、社会や世界に関する問いを持ち、その解決方法を模索していくことで、一人ひとりが自らの「賜物」を発見し、学びを深めます。またプログラムを通じて、協働する力・論理的に考える力・情報を精査する力・発信する力・情報機器を使う力を涵養し、社会の一員として自らの「賜物」を活かしながら、他者とともによりよい社会を築いていくための姿勢を培います。

SEED = Self-Enrichment EDucation

2004年から実施のSE(Self-Enrichment)授業の主旨を引き継ぎつつ、内容を更に深化させたプログラムです。SEEDには「種」という意味があります。香蘭女学校ならではの有形・無形の産物を活かした様々な取り組み(種まき)を通して学んだことが実を結び、一人ひとりが賜物を発見し、卒業後に「香蘭での6年間が自分の礎を形成した」と実感できるように、という願いも込められています。

中等科の目標

1〜4をプレゼンテーションやレポート作成に取り入れ、高等科での探究学習に繋げる
1. 問いを持つこと
2. 立てた問いに論理的に答えること
3. 自分の考えを適切に言語化すること
4. 教科間連携を通して、興味関心を深めること

高等科の目標

中等科で学んだ探究活動の基本をもとに、社会で自らの賜物を活かすことができる力を養う
1.「問いを持ち調べて発表する」までの論理性や表現力の養成
2. 理系文系の課題研究に必要な力の養成

プログラム概要

中等科(週2時間) 高等科(週1時間)
● SDGs について
● 職業調べ
● 英数理社 分野ごとの活動
● 自己を取り巻く社会に目を向けた学習活動
● 専攻分野を絞り込むための様々なアプローチの実践
● 論文作成とポスター発表

※SEEDプログラムは中等科2・3年「探究基礎A」「探究基礎B」、高等科の「総合的な探究の時間」で実施します。

ヒルダ賞

作文・英作文・絵画・書道の部門で優秀な作品を手掛けた生徒に賞を与える校内学芸コンクールで、授賞式は香蘭女学校の守護聖人聖ヒルダの日である11月17日前後に行われています。1952年に聖メリー女学校(アメリカ)から寄付を受けて「セント・メリー賞」が創設されましたが、1955年には香蘭女学校の守護聖人聖ヒルダの名前を冠して「ヒルダ賞」と改称されました。ヒルダ賞授賞式の1日は、表彰される友人達の作品を全校生徒で鑑賞し、感動を共にする、お互いに感性を刺激しあう1日です。