チャプレンメッセージMessage from the Chaplain

2025年03月01日掲載

「私はあなたを諸国民の光とし地の果てにまで、私の救いをもたらす者とする。」 イザヤ書49章6b  


 3月は年度の終わりであると同時に冬の終わりでもあります。チャプレンの私は、3月というと聖パトリックを連想します。聖パトリックはアイルランドの守護聖人で、3月17日がその記念日となっています。聖パトリックにまつわる話はたくさんあります。私が特に好きなのは、聖パトリックとその取り巻きが王様の宮廷に向かっていた時の話で、433年の出来事だと伝えらえています。出発前に聖パトリックは、彼ら一行を皆殺しにする策略があるとの密告を受けました。そこで、彼はお祈りを作り、全員に覚えさせたのです。襲撃されると言われた地点に到達すると、彼らは声高らかにその祈りを歌いました。茂みに隠れていた一味の前を通りかかりましたが、不思議と聖パトリック達の姿は見えず、敵から見えたのは、おとなしい1頭の雌鹿に引き連れられた20頭の小鹿だったのです。この奇跡によって、聖パトリック達は命拾いをしました。その時の祈りは「鹿の叫び」(別名「聖パトリックの胸当て」「ロリカ」)として今日に伝えられています。実際のお祈りは長いので、しばしば抜粋して用いられます。神様が傍らにおり、導き、守り、力づけるという美しい歌です。神様が御子を通して私たちと共におられることが実感できます。一部を以下にご紹介します。


     私は今日、天の力によって立ち上がります

     太陽の光、月の輝き、火の輝き、

     雷の速さ、風の速さ、海の深さ、

     大地の安定、岩の堅さは揺るぎなく


     キリストを考えるすべての心にキリストが、

     キリストを語るすべての口にキリストが、

     キリストを見るすべての目にキリストが、

     キリストに聞くすべての耳にキリストがいますように


香蘭女学校チャプレン  マーク・ウィリアム・シュタール