チャプレンメッセージMessage from the Chaplain

2025年11月01日掲載

神が味方なら、誰が私たちに敵対できますか。人を義としてくださるのは神なのです。これらすべてのことにおいて、私たちは、私たちを愛してくださる方によって勝って余りあります。私は確信しています。死も命も、天使も支配者も、現在のものも将来のものも、力あるものも、高いものも深いものも、他のどんな被造物も、私たちの主キリスト・イエスにある神の愛から私たちを引き離すことはできないのです。
(ローマの信徒への手紙8章 31節)

キリスト教黎明期の偉人たちの話が今も多く語り継がれています。その一人、今月25日が記念日の聖キャサリン(紀元後287-305年)を紹介します。

アレクサンドリアのキャサリン妃は若く、これから人生を謳歌するはずでした。彼女は高貴な身分だっただけではなく、学者としても優秀でした。しかし、彼女がクリスチャンになると多くの敵が生まれました。彼女の信仰は堅く、多くの人をキリスト教改宗に導きました。しかし、その歩みも18歳という若さで殉教という形で終わりを遂げます。

何があったのでしょう。彼女に対する迫害が始まると、キャサリンはローマ皇帝マクセンティウスに近づき、彼の残虐さを訴えました。皇帝は彼女を論破しようと、50人の弁論者や異教徒の哲学者を集めましたが、結果的には、キャサリンが完全な勝利を収め、影響を受けた何人かはキリスト教に改宗しました。しかし、彼女も彼らもローマ皇帝により即刻処刑されてしまったのです。

キャサリンがもっと長生きしていたら、より多くの人をキリスト教に導くことができたでしょう。そういう意味で彼女の死は悲劇でした。しかし、彼女自身は「信仰に生きる」という揺るぎない真実に従って生きたという満足感があったはずです。彼女は日々の生活の一瞬一瞬において、キリスト教の精神を実践することこそが神聖であると証明しました。

キャサリンほどでなくても、私たちもその姿に倣うことができます。時と場所も選びません。純粋で清い信仰は、工夫次第で実生活で生かすことができます。一人一人の性格、能力、傾向、環境など、神様から与えられた賜がそれを後押ししてくれるでしょう。

聖キャサリンの伝説は、幸福への道を示しています。それは、神様によって私たちの心深くに植えられた神様の願い「信仰に生きる」、それに従って日々を生きることです。

さっそく一歩踏み出してみましょう。

香蘭女学校チャプレン
マーク・ウィリアム・シュタール