だから、わたしたちは落胆しません。たとえわたしたちの「外なる人」は衰えていくとしても、わたしたちの「内なる人」は日々新たにされていきます。（コリントの信徒への手紙二第4章16節）

　今年の東京の冬はそれほど厳しいものではなかったです。しかし、寒さと灰色の空が果てしなく続くように思えるとき、太陽はいつも昇り、緑の芽はいつも凍った地面を突き破り、春はすぐそこまで来ていること、キリストの慈しみは日々新しいことを思い出すのは良いことです。

　上記の聖書の箇所に関して、私達にとって「心の新生」とはどのようなものでしょうか。それは多くの人が悩む問題です。人生の中で、そのことについて具体的な理解を経験する人は少ないかも知れません。その結果、私達は、イエスが約束された豊かな人生を実際に生きるとなると、満たされず、苛立ち、混乱することになります。「盗人が来るのは、盗んだり、屠ったり、滅ぼしたりするためにほかならない。私が来たのは羊『＝私達』が命を得るため、しかも豊かに得るためである。（ヨハネによる福音書10:10）」イエスは、豊かで満足のいく人生は、一つのシンプルで人生を変える戦略、すなわち心を新たにすることによって実現することを暗示しているのです。 　

　しかし、心を新たにすることは、霊的なプロセスだけでなく、有機的なプロセスでもあることを覚えておいてほしいと思います。私達が意図的に神の御言葉に沿うように考え方を変えると、文字通り、私達の脳に新たなつながりや経路が生まれ、そのプロセスが時間の経過とともにより簡単で好ましいものになるのです。このプロセスを通して、私達の脳は神の御言葉の真理に沿うように再構成され、私達の人生に対する神の計画に沿う新しい方法を生み出すことができるのです。「その人が心に思うように、その人もそうである。（箴言23:7）」 私達の思考とその結果としての行動が、私達の人生の境界線を創り上げるのです。イエスが約束された豊かな人生を経験したければ、意図的に心を新たにすることを学ばなければなりません。

　そのためのひとつの方法は、視覚化することです。 神様は、私達が生まれる前から、私達の心の中に新しい現実を見たり、感じたり、創造したりする素晴らしい想像力を創造されました。神様の言葉に基づいて新しい思考を置き換え、強化するとき、その新しい現実の中で人生を経験したらどのように見えるか、どのように感じるかを心の目で想像するのです。これが私達の脳をさらに刺激し、私達の人生に対する神の計画と一致する能力を加速させます。

　今後新しい2024年度と数年間、皆さんがキリストにあって心を新たにし続けることができるよう、神様の導きを祈ります。

香蘭女学校チャプレン　　マーク・ウィリアム・シュタール