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今年も高等科3年生全員を芝蘭庵でのお茶会に招待

香蘭女学校の茶室「芝蘭庵」は14年前、創立期の英国人宣教師たちが大切にした日本文化を今日も学校の伝統として守ってゆこうと、念入りに設計し建築した関東の学校としては大変珍しい独立建築の本格的茶室です。「芝蘭庵」の名は、香蘭女学校校名の由来である孔子の家語から裏千家御家元・千宗室宗匠によって命名され、扁額も千宗室宗匠の揮毫によるものです。
香蘭女学校では全生徒に、卒業までに一度はこの「芝蘭庵」で本格的なお茶会を経験してもらうことにしています。そしてここ13年間は、高等科3年生の後半の時期に、お茶会に学年生徒全員を招待してきました。
今年度も二・三学期の間に数回に分けて実施することにして、この10月2日にその第1回お茶会が開かれました。高等科3年の茶道部の生徒たちが亭主としてお点前と半東と陰立てを担当してお茶会を運営しました。
参加した生徒たちは、待合となっているビカステス記念館のサロンでしばし休みをとり、お茶会での心得を教わり、お菓子を作法に従っていただきました。それから露地門を通り茶庭を歩いてまず腰掛待合で一服。そしていよいよ躙り口から小間の茶室に入り、ちょっとドキドキしながらいよいよお点前の接待を受けました。ほろ苦いお茶を一服いただく時も、生徒はとても嬉しそうで、また実に美味しそうにいただき、楽しい豊かな時間となっていました。また、お点前を披露した茶道部の生徒の見事な腕前に、歓声をあげたりもしていました。お点前を振る舞われた後茶室の外に出てきた生徒たちは、皆例外なく穏やかで晴れやかな表情を見せていました。茶室の落ち着いた空間、お茶会のゆったりした時間、そして薄茶とお菓子の豊かな味、……。お茶会という独特の場面は、もうすぐ卒業してゆく高等科3年の生徒たちに、日本文化のもたらす豊潤な喜びをもたらしてくれたようです。香蘭女学校をもうすぐ旅立つ生徒たちが、ゆったりとした豊かな心持ちをこの小さな茶室からふくらませていってほしいものです。
日本文化を大切にした英国人宣教師たちの心を今に伝える、芝蘭庵でのお茶会です。

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