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高等科2年生が国立劇場の文楽鑑賞教室に出かけて来ました
恒例の高等科2年生の文楽鑑賞教室。今年度は二学期期末テスト最終日の翌日12月7日にGTECを受検した後に実施され、国立劇場小劇場へ出かけた高等科2年生は本格的な人形浄瑠璃を堪能しました。
それまで文楽を鑑賞したことのある生徒は殆どいないため、どのようなものかを想像しながら国立劇場に入った生徒は、幕開きの演目である、恋人のために命がけで半鐘を打つ娘お七の姿を描いた短編の名作「伊達娘恋緋鹿子 火の見櫓の段」を見て、一気に文楽の世界に惹きこまれてゆきました。
そして次の「解説 文楽の魅力」では、太夫・三味線・人形遣いという文楽の舞台を勤める三業が登場し、それぞれの役割についてこの日の作品にそくして解説してくれました。大夫と三味線弾きの掛け合い、そして三人遣いの人形がまるで人間が演じているかの如きしなやかな動きを見せてくれるのが文楽の魅力です。この日の解説は太夫が豊竹靖太夫、三味線が鶴澤友之助、そして人形遣いが吉田玉翔でした。
そして、いよいよ後半は近松門左衛門の人形浄瑠璃の名作「平家女護島 ~鬼界が島の段」。通称「俊寛」と呼ばれ、平家討伐を企てた罪で鬼界ヶ島に流され、一度は許されながらも自分の意志で島に残る決意をした俊寛が,遠ざかる船影に心乱れるさまを三味線の千鳥の相方をバックに物語最後に描く文楽屈指の作品です。歌舞伎化された作品も有名です。今回の配役は、太夫が豊竹藤太夫、三味線が鶴澤清介、人形遣いが吉田玉男、吉田文哉ほかの皆さんでした。
直前の解説で話された太夫の語り分けの凄さと声の見事さ、三味線の表現の多彩さ、三人遣いの人形遣いの描写の美しさ……。どれをとってもあまりに迫力があり、リアルであり、ドラマチックであり、生徒たちは思わず聞き惚れ、見惚れていました。
一般に古典芸能と言われる文楽=人形浄瑠璃に初めて触れた生徒たちは、決して古くない、むしろこの現代に生き生きと呼吸をしている文楽の、時代を超えた新鮮な芸術性を肌で感じたようです。
(写真は、国立劇場ホームページより転載させていただきました)