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今年度第1回宗教講話はアーサー・ビナード先生
香蘭女学校キリスト教センターが主催してキリスト教の柱に基づいた大切なお話を全校でうかがう機会となっている宗教講話。香蘭女学校ではずっと昔からこの宗教講話を続けてきています。
今年度第1回の宗教講話は6月22日の午後、全校生徒が集まる礼拝堂にアーサー・ビナード先生をお迎えして、「ことばメガネをかけかえると」と題して行われました。
アーサー・ビナード先生は1967年7月2日、アメリカ・ミシガン州生まれの詩人・俳人、随筆家、翻訳家です。大学卒業とともに来日、日本語の名作を英訳するとともに、日本語での作詩をはじめ絵本やエッセイの制作、テレビやラジオへの出演等、幅広い分野で活躍していらっしゃいます。 香蘭女学校には、2001年に詩集『釣り上げては』で中原中也賞を受賞された直後に講演に来られたことがあり、十数年ぶりのご来校となりました。今回は、毎年8月に実施している広島平和学習との関係から、2011年に広島市内に住まいを構えて、以来ヒロシマについて聴き表現する活動を続けられている先生をお招きすることになりました。
先生のお話は、日本語に関心を持たれて来日された時に驚いた出来事などの逸話から楽しく始められ、次第に「ことばメガネ」という今回の主題に話が展開されてゆきました。そして後半は、「ことばメガネ」の例としてヒロシマの原爆の話題(例えば、ピカとピカドンの違い)に移り、さらにオバマ米大統領の広島訪問についての当日地元放送局で演説の同時通訳をされていたアーサー・ビナード先生ならではの分析と感想を提示されるとともに、そのことに関する生徒たちの意見を聞いたりする場も持たれました。
ユーモア溢れる話しぶり、生徒みんなが関心を持ちやすい目の前にある新鮮な話題、中等科1年生にもわかりやすい分析、そして問題に対して鋭く切り込みそれを生徒に訴えかける圧倒されるような熱意。全校生徒はのめりこむように先生の話に聞き入り、時折生徒座席を周りながらマイクを生徒に向けて質問をされる先生に、次々と率直な感想や意見を述べていました。
講演終了後に教室へ戻ってから、生徒たちはみな振り返りの作文を書きましたが、小さな字で与えられた枠をはみ出すほどぎっしりと思いを綴っていました。自分の問題意識を改めて高める契機となった、忘れがたい講演になったことでしょう。