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第3回紫苑の会は谷川俊太郎・賢作さんのコラボ
「父母の会」の教育部が主催する講演会や音楽会が、「紫苑の会」という名称で年に2回ほど開催されます。香蘭生のご家族をお呼びして、楽しく実りあるひとときを共にする良い機会となっています。
今年度2回目の紫苑の会が11月5日の午後、礼拝堂で行われました。今回は詩人の谷川俊太郎さんと、そのご子息で音楽家の谷川賢作さんによるコラボレーション「詩と音楽のひととき」という素敵なプログラムでした。
父母の会教育部のお母様の司会で開会、聖歌320番奉唱、高橋チャプレンによる開会のお祈りのあと、父母の会の児玉会長からの挨拶があって、そしていよいよ谷川さん親子が紹介されプログラムが始まりました。
「素敵なホールですね。この規模のホールを週末貸し出ししたら、いつも全席一杯になりますよ。でもクリスチャンじゃないと貸し出さないのかな?」と、お二人のユーモア溢れる会話から今回の会は楽しくスタートしました。群馬県の北軽井沢にある谷川さんの別荘が香蘭女学校の山荘のすぐ近くであることに触れられ、日本離れした植生のあるこの北軽井沢を子供の頃からずっと故郷としてきて、この北軽井沢で詩を書き始めたと俊太郎さんは話されました。そして1950年代に書かれた「山荘だより」という詩から朗読をされました。一方、賢作さんは「言葉と音楽の親和力を大切にしている」と話され、このプログラムの方向性を示してくださいました。
音楽と詩それぞれのノンセンスのこと、宇宙の中の一つの命として自分を認識するようになった子供の頃の感触から生まれた処女詩集『20億光年の孤独』のこと、など谷川俊太郎さんの人生にそくして長い時代を詩と音楽で追ってゆくような構成で、掛け合い漫才のような愉快なお二人のやりとりが続きました。途中、俊太郎さんが賢作さんのピアノで歌を披露する場面もあり、笑いの絶えないプログラムでした。何気ないたわいもないような会話の中にも、キラリと光る宝石のようなことばがあり、賢作さんからのことばの投げかけを受けて俊太郎さんが「大人の中に子供はいつも眠っているから、それを目覚めさせるのが詩と音楽の役割なんだよ。」とサラリと言われた時には、会場から拍手が自然と湧いたりもしました。
あっという間の一時間半のプログラムが終わったところで、父母の会正副会長から花束贈呈。そのあと聖歌540番奉唱と高橋チャプレンによる閉会のお祈り。そして閉会の言葉。
香蘭生のご家族へのメッセージ溢れる、心豊かになるひとときでした。