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ハンセン病施設「多磨全生園」を訪問しました

今年で115年目を迎える11月23日開催の香蘭女学校のバザーは、毎年その収益金を多くの福祉施設や福祉事業に寄付しています。その中の一つに、ハンセン病の療養所である「多磨全生園」(たま・ぜんしょうえん)があります。毎年秋、高等科2年生のバザー委員が中心となってこの多磨全生園を訪問していますが、今年も10月1日に高等科2年の生徒が訪ねました。
多磨全生園は1907年制定の「癩予防ニ関スル件」に基づき、北は新潟県、西は愛知県に至る1府11県が連合して設置する公立療養所第一区府県立全生病院として発足したものです。1941年に厚生省に移管され現在の名称となりました。その後、病気の解明が進み治るものとなっても、「らい予防法廃止に関する法律」施行は1996年まで待たねばならず、ハンセン病患者は大変な迫害・差別に遭ってきました。多磨全生園は、隣接して1993年に開館した高松宮ハンセン病資料館(現在はリニューアルして国立ハンセン病資料館と改称)を拠点として、ハンセン病に対する知識の普及と差別・偏見の解消等の活動を担ってもいます。現在、入所されている方は180名(2017年1月現在)平均年齢は84.9歳ということです。
バザー委員の生徒たちはまず、園内の宗教地区にある日本聖公会聖フランシス聖エリザベツ礼拝堂を訪ね礼拝を捧げました。そのあと入所されている方々とお茶やお菓子を共にして語り合うひとときを持ちました。入所されている方々と触れあう経験の中で、ハンセン病患者として隔離されてきた方々の厳しい現実を生徒たちは思い知りました。是非にとの要望に応えて、香蘭女学校の校歌を歌う一幕もありました。そして引き続き、多磨全生園の広々とした園内の諸施設を見学し、悲しみの場所である「望郷の丘」や納骨堂を訪ねました。 その中でもとりわけ国立ハンセン病資料館の展示は、参加した生徒たち全員にとって衝撃が大きかったようでした。
香蘭女学校の生徒たちがこの多磨全生園を訪問した最初は、まだ差別偏見の嵐が吹き荒れていた戦後間もない1950年頃のことでした。当時の香蘭の先生方の見識の高さをうかがわせるこの訪問以来、香蘭女学校の生徒たちと多磨全生園との関わりは続けられてきました。普段の家や学校の生活の中ではなかなか知ることのできないハンセン病。長く日本で行われてきたハンセン病差別の歴史を、この訪問によって生徒一人一人が心の奥深くで受け止めてきました。

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