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ナザレ修女会修道院で7年目の「静想会(Retreat)」実施
東京都三鷹市牟礼、井の頭公園の裏手に日本聖公会の「ナザレ修女会」の修道院があります。1920年、英国エピファニー修女会の修女4人が芝白金三光町の聖ヒルダ女子神学部校舎にて修道生活を始めました。やがてそれは「エピファニー修女会日本支部」となり、1936年、その日本支部に入った2人の日本人女性の志願者は修道女として着衣式を受け、日本人の修道院「ナザレ修女会」が同敷地内に創立されました。共に当時の香蘭女学校と同じ敷地内です。シスターたちは聖書や刺繍を生徒たちに教え、音楽の指導にも力を注ぎ、日本聖公会で初めて彼女たちの歌う天使ミサ曲がレコードに吹き込まれました。そして多くの生徒たちが信仰の道へ導かれていきました。戦後も1960年代初め頃までは、数名の修女さまたちが順々に香蘭女学校で授業を持たれました。
2012年11月にキリスト教センターが主催して、高等科の生徒たちと高橋宏幸チャプレンはじめ先生方がこのナザレ修女会での「静想会(Retreat)」を行い、以後毎年この静想会が続けられるようになりました。今年も第7回「静想会(Retreat)」が11月2~3日に行われ、高等科の生徒16名と高橋チャプレンはじめ3名の先生方が参加しました。
香蘭女学校の校舎と同じ内井昭蔵氏の設計による美しい修女会の建物に足を踏み入れた生徒たちは、沈黙の夕食後の夜7時から第1セッションとして、ナザレ修女会のチャプレン田光信幸司祭の「居場所」「受容」をめぐってのお話をうかがいました。そのあと2グループに分かれた第2セッションでは田光司祭のお話を踏まえて思うところを互いに語り合い、さまざまな思いを胸の内に抱えながら各自個室に入り、1人で静かな夜の時間を過ごしました。
翌朝は起床後まず、田光信幸司祭の司式による聖餐式に参加し、生徒たちは田光司祭から祝福を受けました。朝食の後は、第3セッションとして2グループそれぞれの課題について話し合いをして、足かけ二日の静想生活という貴重な体験を終えました。
非日常的と言える修道院生活をほんの少しだけではありますが体験して、生徒たちは静かに自身と向き合い、それを友と分かち合うことに、感動を覚えたようでした。キリスト教学校で学ぶ私たちにとって、静想会はその根本を教えられる貴重な経験となるので、今後もこのプログラムを続けてゆきたいと考えています。